キャンパる・なにコレ!?:明治学院大「地域通貨ゲーム」

◇農家や商人役で取引体験

地域通貨がゲームで体験できる。明治学院大学で9月下旬に行われた「地域をつくるお金のシミュレーションゲーム」(明治学院大国際平和研究所など共催)に参加した。

企画の狙いを、平山恵・同大国際学部准教授は「グローバリゼーションの課題をとらえる一つの視点として、地域通貨の仕組みを考えてもらうため」と語る。

ゲームは埼玉県小川町で実際に使われている地域通貨・FOODOを想定して作られた。参加者は学生や社会人15人。それぞれに地場産業の農家や林業家、主婦、地域外から来た商人などの役が振り分けられる。

私も「林業家」として参加した。商品は材木と間伐材。売る相手は、商人と木の職人に限定されている。

最初は普通の通貨・円のみを使った取引だ。ここでは、外から来た商人がさまざまな商品の仲買をやっていたため、彼の周りに商品や人が集まった。ゲーム終了後、地域の人々が持っていたお金が、商人を通じて大量に地域外に流出したことが判明した。

次に設定を変えて、もう一度ゲームを行う。今度は売る相手は限定されず、地域の人たちは誰とでも取引できる。そして支払いは円とFOODOの二つ。2回目のゲームでは、地域の人たちの商売が盛況だった。地域限定通貨の特性を生かし、地域の住民同士が直接取引をしたためだ。一方、外部から来た商人は地域通貨を使った商売ができず、閑古鳥が鳴いていた。

私も地域の人との商売が増え、地域通貨の利点を実感できた。他の参加者からも「地域でお金が循環しているのを体感できた」「人との交流が増え、そこから売買が生まれた」など感想が聞かれた。

これまで、全国で300以上の地域通貨の取り組みが行われたが、その多くは定着するまでには至っていないようだ。今回の企画の共催者で、地域コミュニティーの再興などを目指す「懐かしい未来ネットワーク」の加藤久人さんは「このゲームを、もっと多くの人に体験してもらいたい」と期待を語った。【早稲田大大学院・吉崎洋夫】

毎日新聞 2009年10月9日 東京夕刊

参考:キャンパる・なにコレ!?:明治学院大「地域通貨ゲーム」