先日北見市で地域通貨のロールプレイングゲームが実施されました。
北見で疑似体験フォーラム
地域通貨の疑似体験を通して、東日本大震災の被災地の流通、経済を考えるフォーラムが29日、北見芸術文化ホールで開かれた。参加者達は、限定した地域の内で通用する地域通貨にボランティア性とコミュニケーションが強く反映され、日常使っている法定通貨の数倍の速さで流れることなどを体験した。
通貨のボランティア性,東日本大震災 参加者が体感
企画したのは、市の都市計画マスタープラン策定にかかわった市民の任意団体「CTCきたみ中央まちづくり会」。地域通貨をテーマにした2回目のフォーラムで、講師に北海道大学大学院経済学研究科教授の西部忠氏らを招いた。
フォーラムでは地域通貨の性格などについて西部教授から解説を受けた後、参加した約30人の市民が2人1組になって、会社員や商店、企業などの役割を担いながら模擬地域を造り、地域通貨を使って取引や労働、消費などを疑似体験した。
地域通貨を導入すると、消費が促進され、法定通貨よりも先に地域通貨を使う意識が強いため、通貨の流通速度が速い。疑似体験で食品工場の経営者を担当した人は「利益を増やそうという意識にはならず、地域通貨を消費に回す意識が生まれました」と話している。
会社員役の参加者は「ボランティア精神が強まり、事業所にとっては人件費など資金繰りが楽になると感じました。地域通貨は早く使おうという意識になるので、とどまりにくく、貧富の差が生まれにくいのでは」という。同会の代表は「被災地の復興、地域を元気にする観点から、ボランティア性、コミュニティー性を持つ地域通貨が役に立つのでは」と話している。 (粟)
(被災地復興に地域通貨を,経済の伝書鳩 電子版,2011/3/31掲載)